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おそろしや

  • Day:2010.04.02 21:41
  • Cat:日記
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 昨日はエイプリルフールとかでした。特に誰にも嘘はつかれませんでした。ですが、2年前に恐ろしい嘘をつかれて非常にまいった記憶があります。2年前の今頃、ちょうど五月の公演に向けて忙しかった時期のことでした。ぼくは脚本演出その他雑用兼主宰をしていました。台本は上がらないわ、人が足りないわ、稽古も進まないわで昼はバイト、夕方は稽古、家に帰ったら台本、寝ずにまたバイト稽古……そして人を集めるために演劇系の掲示板に書き込んでは、それを見てメールをしてきた人に、メールの返信をして合う日程を決め、神経を使ったりで、てんやわんやのときがありました。そんな中で4月1日、役者の一人が

「すいません、ちょっとお話があるんですけど…」
「え、なに?」
「あの、申し上げにくいんですが」
「うん」
「実家の都合で今回の公演に参加できなくなってしまいまして…
ほんとすいません」
 その瞬間、血の気が引きました。終わった。完璧にそう思いました。
「え、ほんとに…?」
「あ、はい。すいません。あの、本当にたいへんな時期だとは
思いますが…」

 このふた言の間に、ものすごくたくさんのことを考えました。人って、こんなに一瞬でいろんなこと考えられるんだと感心さえしました。まず、このまま公演を中止した場合、劇場を押さえるためにかかった費用十数万をどうするか。こちらのほうは、話し合いで解決できるだろうとすぐに判断。あと音響を頼んでいる外の人に、謝らなくちゃなぁとか。また続行する場合、キャストの割り振り代役を立てるのか? でも人がいない。だったら台本上でどの役とどの役を合体させて、セリフを削るか。もしくはどの役を無くして、舞台を成立させるか。台本の構成を激しく考えつつでも、辞めると言ったその役者は主役。削るとか不可能だ。じゃあ代役? でも代わりがいない。自分がやる?  それ大丈夫なの?   だいたいこの辺で思考停止しました。で、相当、ぼくがやばい表情をしていたようで、そのあたりで、その役者がネタばらしをしました。この辺のことは、その直前があまりに衝撃的だったためにあまり覚えていません。ただ苦笑したのは何となく覚えています。あとで何度も役者に謝罪されたのを覚えてます。今思えば、わざとらしい話題の切り出し方ですね。時期が時期で真剣に受け止めざるを得なかったです。たぶん、これが人生で一番怖かった経験のひとつです。エイプリルフール、恐ろしい子…。

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