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めもめも

  • Day:2010.09.19 22:50
  • Cat:日記
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■秋の空。夏の雲から秋の雲に変わりました。
いい季節です。

■最近読んでおもしろかった小説の感想を少し書きます。

○藤原伊織『テロリストのパラソル』講談社文庫

文句なしに面白かった。大学のころの友人に紹介してもらった。
その友人はゼミの先生に紹介してもらったそうな。
確かに先生らしい的確なチョイスだと思った。
ハードボイルドの探偵小説。主人公がなぜか強い。なぜか頭が良い。
一度読み始めたら、夜更かししてでも読みきりたくなるような
力を持った小説だった。主人公の最後のセリフがとても切なくて
印象的だった。これは本当に読んでよかったと思った。

○ダニエル・キイス『心の鏡』ダニエル・キイス文庫

ダニエル・キイスの短編集。有名な『アルジャーノンに花束を』の
中編版が載ってました。
表題作も好きだったけど、やっぱり一番感動したのは『アルジャーノン~』
だった。電車の中で本気で泣きそうになった。
一時期、「名作なんてたるそうだから読んでらんない」と
思っていたころがあって、特に学生の間は名作からひとつはずした
ところばかり読んでいました。
でもそれを本気で後悔した。語り継がれている名作はやはり
きちんと読んでおくべきだと思った。

○滝本竜彦『僕のエア』文藝春秋
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写真つき。
超大好き、滝本竜彦の8年ぶりの新作。

感想やらなんやら書いてたら、
つい好きすぎていろいろ書きすぎて
ぐだぐだになってしまったので、簡潔に書きたいです。

1作目『ネガティブハッピーチェーンソーエッヂ』の主人公が
高校生。2作目『NHKにようこそ!』の主人公が大学生(中退)
今作の主人公はフリーターでした。

ぼくとしてはとても良い作品だと思いました。
ストーリーを進めていく上での手法というか、今作のテーマ自体には
あまり新しさを感じませんでしたが、作家としてきちんと文章を書いて
物語を伝えるということに関してすごく成長したのでは
ないかと思いました。

正直言って、作者の滝本さんの年齢的にも性格的にも
このまま作家として生きていくしか道は残されていないので
それを考えるとこの作品は作者にとって重要な作品なのは
間違いないです。

以前の2作品は出版することもあってかなり書き直したとも
思いますが、「勢いで書いてる」感がぼくには強く感じられました。

今回は「勢い」で言うと前2作には劣りますが、
話のつくりや構成はとても良くなっています。

中盤の盛り上がりがとてもよかった。
破綻するぎりぎりのところで自制して書いてる感じでした。

読後感もとても爽やかで、切なかったです。
終盤、話がすぅっと終息していくところを
作家が息切れしているように感じる人もいるかもしれません。

でもぼくには、そのラストが主人公の寂しさや孤独感を
よく引き立てているように思えました。

重複しますが、今作が総合的に見て一番の良作なのではないかと
ぼくは思いました。


今日はこの感想を書きたかったのでした。
滝本さんとは同じ大学出身なので、今後も応援していきたいです。

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