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ぼくらは海へ 感想

  • Day:2019.05.03 16:08
  • Cat:読書

 久しぶりに誰かと感想を話し合いたいと思うような本を読みました。何を話してもネタバレになってしまうので、ぜひ読んで欲しいとしか言いようのない小説でした。
 著者は『ズッコケ三人組』で有名な那須正幹。小学六年生の夏、五人の男の子たちが船作りを思い立ち悪戦苦闘するという設定。ぼくの大好物の設定です。冒頭の登場人物や背景の描き方が本当に鮮やかで、これには美しさを感じるほどでした。必要最小限の端的な表現で登場人物の個性的な性格や姿、家庭環境、舞台になる秘密基地が描かれて見事としか言いようがありません。「これが小説の立ち上げ方なのか」と感心してしまいました。また読み進めていくと人物のそれぞれに複雑な家庭環境の背景があり、少年が感じる言葉にできないようなもどかしい葛藤がよく伝わってきます。ラストシーンには様々な解釈があると思います。三十年前の小説なのでネット上には感想や考察が溢れかえっていると思います。ぼくは最後まで読んだあと絶句してしまいました。そしてぼろ泣き。このような読後感は今までの読書体験でも初めての経験でした。すごい小説を読んでしまいました。お勧めです。

感想 バッタを倒しにアフリカへ

  • Day:2018.03.11 13:25
  • Cat:読書
 教養がやばいと感じたので最近は新書を読むようになりました。でも新書を買うのはこの歳になって実は初めてで、なにを買ったらいいのかわからない(酷い)とても読書が趣味の人間とは思えません。とりあえず平積みされていた本を買いました。

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

 これが本当に面白かった。著者の前野氏が研究者生命を懸け、単身バッタの研究のためにアフリカで奮闘した記録が書かれています。ポスドク(ポストドクター)という立場の方たちの辛さや、アフリカの文化についても知ることができました。
 バッタを愛しすぎて、バッタに食べられるのが夢だとか、バッタを触りすぎてバッタアレルギーになってしまったなどというエピソードも面白かったです。
 前野氏はアフリカに滞在中、ティジャニというドライバーの方と行動を共にするのですが、彼が本当に頼れる相棒で、また愛嬌のある様子も描かれていて魅力的な方でした。単に滞在の記録が書かれているだけではなく、登場する方たちの様子が上手に描かれているのも良かったです。
 読んでいてぼくは自身の兄の姿を前野氏に重ねずにはいられませんでした。兄も同じようにポスドクの立場で、単身海外で研究をしていました。前野氏は努力と幸運も重なり助成金を得ることができましたが、兄は職を失い失意の中帰国してきました。向こうでどのような苦労をしたのか、「もう帰ってくることはない」と言い切って海外に飛び出した兄が、どのような思いで帰国したのかを再び考えさせられました。
 ちなみに、前野ウルド浩太郎氏の「ウルド」とはモーリタニアでの栄誉あるものに授けられる名前で、同氏の功績をたたえて研究所の所長からいただいた名前だそうです。かっこいいですね!

チャールズ・ブコウスキー『パルプ』 感想など

  • Day:2018.03.05 11:40
  • Cat:読書
 久しぶりに読書の感想のようなものを書こうかと思います。去年あたりから読書の習慣が戻り、毎日ぼちぼちと読み進めています。
 読み終わったときのひと言は「こんなに自由に書いてもいいんだ! すごい!」でした。自分の小説観が広がったような感じがしました。
 この小説の主人公は自称LA最高の私立探偵ですが、基本的に作中ずっとお酒を飲んでいます。しかも最後までほとんどなにもしません。することと言えば、競馬か酒場で喧嘩するくらいです。いちおう捜査のようなことはするけどそれは全部裏目に出て失敗します。でもなぜか都合良く解決して事態は進んでいく。そしてなんかいい感じに丸投げのラストも「なんだかいろいろあったけどいい作品だったな」という気分になってしまいます。
 自由に書いてあるように見えて、きちんと展開を構成して作り込まれているんだろうなと思います。ぼくは読んでいて「小説はこれだけの余裕と余白を持って書いてもいいんだよ」と言われたような気がしました。
 今作はマイベスト本のひとつになりそうです。

パルプ (ちくま文庫)

かのこちゃん

  • Day:2010.03.23 19:10
  • Cat:読書
 昨日、一日寝込んで体調は7割ほど回復しました。現実では動くことすらままならず、また夢の中ではガンダムに乗ってシャアと戦ったり、敵スパイに追われたりで忙しい日でした。

 今日もバイトでした。特にいつもと変わらない日でした。スターホースプログレス(という競馬のゲーム。だいたいの店では2が置いてある)が朝から起動しなくて困りましたが、夕方来た店長があっさり起動させました。なんで起動できたのか2回質問したのですがなぜか教えてもらえませんでした。どうしても知りたかったので、今日もシフトが同じだったおばちゃんに聞いてみたら、理由を教えてもらえました。なんでおばちゃんには教えて、ぼくには教えてくれなかったんだろう。憤慨しました。まあいいですけど。UPSという非常用の電源装置の電源がなんらかの理由で入っていなかったそうです。そんな簡単なことなんで教えてくれなかったんだ! だいたいこないだ新しいUPSに交換したのはぼくなのに。
 
 最近読んでるのがこの本です。

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 万城目学の新作『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』
 猫小説です。読んでると心が温まります。万城目学は小説が映画化、ドラマ化され、もはや売れっ子の作家だと思っていましたが本屋さんにこっそりと新作が置いてありました。でもこのくらいがファンとしてはありがたいです。こんな感じでゆったりと小説家を続けていただきたいと思っています。今回の作品は万城目作品を読んでいる人なら「にやにや」してしまうような一節もあったりして楽しいです。

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 それと各章ごとに、このような絵が描いてあります。かわいすぎです。猫かわいすぎです。これを昼休みに読むのが楽しみです。

 他の猫小説だと、ぼくのお勧めはロバート・A・ハインラインの『夏への扉』です。 

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 最近、新装版が出ました。ぼくの持っているのは、上の装丁の本です。猫小説であり、タイムパラドックス物の小説としても歴代SF作品の中でも代表的作品です。非常に面白い本です。もひとつ、ぼくの好みですが。

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 新条カズマ『サマー/タイム/トラベラー』これも猫が出ます。そして『夏への扉』のオマージュ的要素も含んでいる青春SF小説です。この本も好きです。

今月買った漫画

  • Day:2010.02.26 19:30
  • Cat:読書
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シリーズ物の漫画は買わないと決めたのに買いました。今月ぶんの漫画というか3月はもうあとはジャンプしか買いません。たぶん。

『シドニアの騎士2巻』『BLAME!』と『バイオメガ』を描いていた二瓶勉の新作。昔の硬派な作品を書いていた時と違って、どんどん漫画慣れしていって一般向けな感じの絵になっていくのが残念ですが、内容はまだきちんとSFしていて楽しいです。それでもちょっとポップな感じの内容だから、昔みたいなサイバーパンクを描いて欲しい気もします。

『COPPELION6巻』放射能に対する抗体をもった高校生(主に女子高生)たちが、原発が暴走して廃墟になった東京から、逃げ遅れた人たちを救出する漫画。途中までの展開は非常に良かったと思いました。けど、変な暴走した二人組みが出てきてからちょっと残念な感じがしました。でも読んじゃう! てかこれから読みます。